2016年7月12日火曜日

おすすめ本008 あの現象には、名前があった!『翻訳できない世界のことば』

「この気持ちって、なんて言うの?」  
「このもやもやした気持ちに名前をつけたい!」


これって文章をよく書く方にとって、
わりとおなじみの感覚ではないでしょうか。

その感覚を、ある意味で満たしてくれるのが、
『翻訳できない世界のことば』
エラ・フランシス・サンダース・著
前田まゆみ・訳(創元社/2016年4月刊)です。




本書は、他言語にはその言葉を表す単語が存在しない、
そんな単語ばかりを集めた絵本です。
タイトルどおり「翻訳できない世界のことば(単語)」が集められ、
カラフルなイラストが添えられています。

紹介されているのは、
スペイン語やロシア語、スウェーデン語なんてのはもちろん、
中にはウルドゥー語やイヌイット語、ワギマン語などという言葉も。
(※ちなみにウルドゥー語はパキスタンやインドで話されている言語、
ワギマン語は―ストラリアの先住民族の言葉だそうです)


あの現象には、世界の言語で
こんな名前がついていた!!!


こうした言葉のなかで、まず個人的に多大に共感したのは、
ドイツ語の名詞「kummerspeck(クンマーシュペック)」という言葉です。
これは、直訳すると「悲しいベーコン」。
「食べ過ぎがつづいて、太ること」を意味するそうです。
あるある。あるね。
ベーコンはともかく、こうした状況を表す単語が今の日本にないっていうのが、
不思議なくらいです。
SNSで飛び交う若者言葉あたりに、すでにありそうな気さえします。


で、「喰いすぎなんだよ、このまるっこい奴め!」と誰かに言われて、
何も言い返せなかったときは、
「טרעפּווערטער(トレプヴェルテル)」ってことがよくあります。
これは、イディッシュ語(東欧のユダヤ人によって話されたドイツ語の変種だそう)の名詞で、
直訳すると「言葉の階段」。
「あとになって思い浮かんだ、当意即妙な言葉の返し方」を指すそうです。
夜、布団に入ってから、「ちくしょう! 昼間、ああいい返せばよかった!」って
歯ぎしりしながら地団駄踏むこと、ありますよね。
ないですか? 私はよくあります。
そんなときはこれから、憎々しげに「トレプヴェルテル!」って叫ぶことにします。
トレプヴェルテ! あんまり覚えられる気はしないのは私だけなのか。   


















さて、太ったらダイエットです。ウォーキングでもするとしましょう。
「で、どれくらい歩いてるの?」と聞かれたら、
「poronkusema(ポロンクセマ)!」と返したい。
これは、フィンランド語の名詞で、
「トナカイが休憩なしで、疲れず移動できる距離」のことだそう。
私はこの言葉がとても好きなのですが、
その場所でしか使えない言葉があるのって、すごくうらやましい、と思います。
いいなぁ、トナカイがそのへんにゴロゴロしてる国。
ちなみに、ポロンクセマは約7.5kmだそうです。けっこうある。
7.5kmは、沖縄・うるま市の離島「伊計島」の周囲と同じくらい。
かえってわかりづらいだろうか。



















そんなこんなでウォーキングをしていたら、
めっちゃ好みの異性に出会うこともあるでしょう。
そんなときは、「تیام(ティヤム)」とひとりごちてみたい。
ペルシア語の名詞で、
「はじめてその人に出会ったときの、自分の目の輝き」を指すそうです。
てかこれ、どうやって使うのでしょう?
「はじめてその人に出会ったときの、私の目の輝きときたら!」とか?
なんかお気に入りのキャラをみつけた腐の人みたいになっていますが、
使い方はこれで合っているのでしょうか。気になります。
日本だと「相手の目の輝き」は意識するけど、
「自分の目の輝き」ってあまり意識しないのではないでしょうか。
でも、意外とこっちのほうが大事かも。
「自分の目の輝き」って、どうやって確かめるのか。鏡で?          


















さぁ、万が一、そうやって出会った異性と、
恋仲になったとしましょう。
やがて二人の間には、
「struisvogelpolitiek(ストラスフォーヘルポリティーク)」という現象が起るでしょう。
オランダ語の名詞で、直訳すると「ダチョウの政治」。
「悪いことが起きているのに、いつもの調子で、まったく気づいていないふりをすること」
「また浮気してるのね! でも……いいわ、気づかないフリしてあげる」
って感じでしょうか。何が「いいわ」なんだか。そしてなぜ上から目線なのか。
現状を変える気力がないときって、こんな感じで強がっちゃいますよね。
私は強がるよ。小心だから。

歳をとるごとに、気づかないフリがどんどん上手くなります……。       


















そうやって彼を自由にさせていたら、
最後は「(IKTSUARPOK)(イクトゥアルポク)」
イヌイット語の名詞
「だれか来ているのではないかと期待して、何度も何度も外に出て見てみること」
そんな感じになるのですよ、彼が出てっちゃってさ。

寂しすぎる……!!!                                


















…………って、アレ???
なんか妙にわびしい話になっちゃいましたが、
本書にはこんな筋書はありません!

紹介されているのは単語のみで、
どれもホントに素敵なのです。

ただ、ヘタにその間を繋ごうとすると、
こんな感じで、読み手の心理状態や好みの物語が反映されてしまいます。
繋がなきゃいいんですね。

ちなみに、本書にはいくつか日本語の単語も収録されています。
どんな日本語が、世界の人たちにとって翻訳不能なのか。
気になる方は、ぜひ本書をめくってみてください。

2016年6月25日土曜日

おすすめ本007 戦慄の実話ホラー!『人体冷凍 不死販売財団の恐怖』

「永遠の命がほしい!」なら必読!
〝不死を売る財団〟のノンフィクション


誰だって死ぬのはいやなものです。
「そのへん、お金の力でなんとかならないものか……」
と考えて、実際にトライした人たちがいます。
「アルコ―延命財団」の関係者や、そのお客さんたちです。

この財団が行うのは、「クライオ二クス(CRYONICS)」という処置。
これは「病気で死んだ人の身体を、冷凍保存する」行為です。

なんのために?
その病気の治療法が開発された未来の世界で目覚めて、
人生をやり直すために。

SF映画でときどき見かける「コールドスリープ」に、
ホントに着手してしまったのが、
「アルコ―延命財団」(米国・アリゾナ州)なのです!

『人体冷凍 不死販売財団の恐怖』
(ラリー・ジョンソン + スコット・バルディガ著
 渡会圭子訳/講談社/2010年刊)
の著者であるラリーは、あるきっかけから、
「アルコ―延命財団」で働きはじめます。
そこで見聞きした、
信じられないような体験がつづられているのが本書です。
オビにも記してありますが「実話」。実話ホラーって書いてあります。

カバー写真は、
冷凍保存の処置を施される遺体の頭部。
本書には処理中のショッキングな写真も掲載されています。





























「クライオ二クス(人体冷凍)」とは、
具体的にどんなものなのか?


さて、「クライオ二クス(人体冷凍)」にまつわる手順は、だいたい次のとおり。

 ①クライオ二クスを希望する登録者の死期が迫ると、財団スタッフが登録者のそばに待機。

 ②医師の死亡宣告を受けた直後、財団スタッフが冷凍保存の準備開始。

 ③遺体の全身を氷水に浸し、人工呼吸装置で血液循環を維持。
   その状態で、体内に凍結防止剤などを注入し、脳や臓器を保護。

 ④財団の施設に遺体を搬送後、体内の血液を全て抜き、保存液を注入。

 ⑤液体窒素により-196℃に保たれ、
   登録者の病気治療が可能な技術が開発されるまで施設内に保存。

要するに、脳細胞や全身の細胞がダメージを受ける前に、
保存液を注入して、凍らせちゃえ!ってことですね。

ビデオの9分あたりから登場する銀色の筒が、遺体を保管する専用冷凍庫。




















著者であるラリーは元救急救命士で、
アルコ―財団では、
登録者の遺体搬送などに手を貸していました。

しかし、財団スタッフたちのものすごいいい加減さ……
遺体は暑さで痛めちゃうわ、
遺体処置に人間を診る医師ではなく獣医を使うわ
……などを目の当たりにして、
ラリーは財団に不信を抱き、
独自に財団についてやクライオ二クスについての調査を始めます。

で、ラリーが最終的にたどり着いた結論は、
「遺体は凍らしちゃアカン!」ということ。

結局のところ、凍らせた段階で細胞が壊れてしまうので、
(細胞に含まれる水は、氷になる際に膨張するので、細胞壁を壊してしまう)
一度メタメタに破戒された細胞を元通りに復元できる技術が開発されない限りは、
「クライオ二クス」は無意味なんだそうです。


クライオ二クスの費用は、
全身で約1000万円、頭部のみで約500万円


ちなみに、クライオ二クスにかかる費用は、
冷凍保存をする際に、全身保存で約15万ドル、
頭部のみ(!)の保存で約8万ドル。
冷凍保存をした後は、毎年年会費を払う必要もあります。

お金持ちじゃないと無理、ということですが、
登録者には、
メジャーリーガーで「打撃の神様」と呼ばれたテッド・ウィリアムズ(1918-2002)や、
エミー賞を受賞した脚本家ディック・クレア(1931-1988)などがいるそうです。

アルコ―財団の異常性に危機を感じたラリーは、
米国の主要メディアなどを通じて、内部告発を行います、
その結果、アルコ―財団に執拗な脅迫を受けるようになるわけですが……。

結局のところ、アルコ―財団がやっていることは、
壮大な詐欺なのでしょうか?

本書によると、「冷凍人体技術」とはある種の信仰なのではないか、ということです。
死を恐れる人々にとっては究極の夢であり、
その夢が破れることは、耐えがたい苦痛なのでしょう。

現在も、アルコ―延命財団が維持されているのは、
そうした信仰の信者が世界中にいるということの証ではないでしょうか。
アメリカやロシアには、同種の団体がいくつかあるようです。

ハズレたらハズレたで、
結局、人間はのめり込む。


私は本書を最後まで読んだときに、
『予言がはずれるとき
 この世の破滅を予知した現代のある集団を解明する』
(L.フェスティンガー H.W.リーケン S.シャクター著
 水野博介訳/勁草書房/1995年刊)
という本を思いだしました。



「大洪水にもならず、救出のためのUFOも来ない。
そのとき、教団はどうなったか。」
とオビに記されているように、
信じていた予言が成就しなかったとき、人はどうなるのか
を書いた本なのですが……。
結局のところ、予言がハズレたらハズレたで、人はさらにのめり込むようです。

これって「コストをかけちゃった人ほど、過去にした決定を覆せない」という、
いわば「サンク・コスト(埋没費用)」状態だと思うのですが、
クライオ二クスも一緒なんじゃないでしょうか。

アルコ―の財団の科学顧問には、
人工知能やロボット工学、ナノテクノロジーの世界的権威が名を連ねているのだそうですが、
こういう「研究に人生のすべてを懸けてきました!」みないな方ほど、
もしかすると修正が効かないのかもしれません。

「うん、ほどほどに生きよう!」と思える良書(私的には)。
最後にもう1回言いますが、実話ホラーです。

おすすめ本006 面倒が楽しくなる!『神さまは「面倒なとき」ほどそばにいる。』

生きていくのって、なんだかんだでけっこー面倒です。

仕事はしなきゃいけないし、
家事はやんなきゃいけないし、
人との約束は守んなきゃいけないし、
食べなきゃいけないし、
寝なきゃいけないし、
世間の人は「人生楽しまなきゃいけない」って言うし。

「でも、そう言われれば言われるほど、
 どんどんヤル気がなくなって、
 いろんなことが面倒になってくんだよね。
 ……このままじゃ良くないってことはわかってるんだけど」

そんなふうに感じている方が読むと、きっとスッキリするのが、

『神さまは「面倒なとき」ほどそばにいる。』

(はづき虹映著/KADOKAWA/2016年刊)です。





著者のはづき虹映さんは、
『誕生日占い ─しあわせを引き寄せる』(中経の文庫)などが
大ベストセラーとなったスピリチャルの大家。

これまで70冊以上もの本を出版されている超人気作家さんですが、
そのはづきさんの最新作が、本書です。

この書のテーマをひとことで言うと、

「神さまが面倒をチャンスに変える方法

をそっと教えてくれます」

というもの。


日本は八百万(やおよろず)の神さまがいらっしゃる国。
だから、ありとあらゆるものに神さまが宿っています。
つまり、「面倒なこと」にさえ、神さまが宿っているのです。

この、日本独自の「面倒くさいに宿る神さま」を味方につけて、
幸運をゲッドしよう!
というのが本書の切り口です。


実は、「面倒」という概念は日本独特の考え方だそうで、
「メリットがないならやらない」という合理主義が根付いている西洋では、
そもそも「面倒」という発想すらないんだとか。

ってことは、「面倒くさいに宿る神さま」って、
日本独自の神様ってことになりそうです。


本書には、面倒に宿る神さまの力を借りて、

「面倒をチャンスに変える23の方法」

が紹介されています。

つまり、言葉に出して言わなければ、望んだものは何も還ってこないということ。
こんな感じの、シンプルだけどハッとするメッセージがいっぱいです。


















ちょっとしたマインドチェンジの方法を23個知った後は、
「むしろ面倒なことを積極的に探して、チャレンジしたい!」
と思ってしまうくらい、
なんだか面倒なことが愛しい存在に。

私は少なくとも、
「その場のノリで、友だちに会う約束しちゃったけど、
 今となったらめっちゃ面倒くさくて行きたくないよ……。
 具合悪くなったフリして、約束ナシにしてもらおうかなぁ」
という、大人らしからぬことをまったくしなくなりました!
……って、あんまり自慢になんないですけど!

「何もかもが面倒だと感じてしまう。そんな自分を変えたい」
そう感じている方は、一読の価値ありです。

2016年6月6日月曜日

おすすめマンガ002 ミルフィーユをキレイに食べられますか?『私のテーブルマナー 本当に大丈夫?』



「大丈夫じゃない……」と思った方は、ぜひともご一読ください。
コミックエッセイ作家の森下えみこさん著の

『私のテーブルマナー 本当に大丈夫?』

(株式会社KADOKAWA/2015年刊)です。




素敵なお店で外食をするとき、
こんな感じで悲しくなったことはないでしょうか。


※画像は『コミックエッセイ劇場』(KADOKAWA)よりお借りしています。


「正しいカトラリーの使い方がわからない」
「魚がキレイに食べられない……」
「同席している人へのシェアってどうすれば?」
「最後の一個がお皿の上に残っているとき、手を出しちゃっていいの?」
「ミルフィーユってナイフとフォークで食べると、
 ボロボロのカスがお皿に残って、すごく汚くなっちゃうんだけど……」
「そもそも、同席者に喜ばれるよいオーダーの仕方って?」

こういうことが一度気になると、
無知な自分がマナー違反を犯しているようで、
なんともいたたまれない気持ちになるものです。
せっかく美味しいお店に行っても、
「あそこでああすればよかった……」と、
帰ってベッドにもぐりこんでから、2時間ぐらい煩悶したり。

この本には、「こんなとき、どうしたらいいの⁉」と気になる
食事のマナーがこと細かに描かれています。
正しいお箸の使い方をはじめ、
食べ方が難しい焼き魚やエビなどをキレイに食べる方法や、
失礼のない中座の仕方、
上手なお酌の仕方や、ドレスコードについて……などなど。
大人として知っておきたい、テーブルマナーががっつりと網羅されています。

ちなみに、私は箸の持ち方が異様で、
居酒屋のカウンターで隣席になった初対面のおじさんに、
「君、箸の持ち方すげぇな! こうだろ、こう!」
とごはんそっちのけで、箸遣いを矯正されたことがあります……。

ありがたいことに、私の箸遣いは、それを期にだいぶマシになりました。
(見ず知らずのおじさん、マジでありがとう!)
見る人から見ると、テーブルマナー違反は、それくらい目に余るってことですよね。


「私だったら、そんなおっさんにいきなり箸遣いを注意されたら、激怒する!」
と、思わずいきりたってしまったアナタ。
悪いのは、他人の目に汚らしく映る私たちなのです。それがマナー。公共のルール。

というわけで、社会人として公けの場所でまっとうに生きていきたい!
とお望みの方は、これを期にしっかりとテーブルマナーを叩き込んでおきましょう!

このマンガの一部は、KADOKAWAさんの『コミックエッセイ劇場』で無料で読めますよ!


ちなみに、主に洋食のお店で出されるナプキンですが、
みなさんは食事を終えた後、このナプキンをどうしていますか?

A.きれいにたたんで、テーブルの上に置く
B.適当にたたんで、椅子の上に置く
C.きっちりたたまず、テーブルの上に置く

私はずっと、「A.きれいにたたんで、テーブルの上に置く」が素敵マナーでしょう!
……と思い込んで実践していたのですが、
なんと正解は「C.きっちりたたまずに、テーブルの上に置く」だそう!

これが「きちんとたたむのを忘れるほど、おいしかった」
という、お店の方へのメッセージになるそうで、
きっちりたたんでしまうと「我を忘れるほどおいしいわけではない」
となりかねないんだそうです。意外!

ちなみに、「B.適当にたたんで、椅子の上に置く」のは、
化粧室へ行くときなど、中座するとき。
「また戻ります」の合図になるんだそうです。

こういうの↓も、ホントによくわかんないんですよね……。


※画像は『コミックエッセイ劇場』(KADOKAWA)よりお借りしています。


ということで、あなたのテーブルマナー、本当に大丈夫ですか?

2016年5月19日木曜日

おすすめ本005 座敷わらしを分けてもらえる⁉ 『「座敷わらし」をもらってきたら、幸せが舞い込んだ!』



「座敷わらし」といえば、かれらが住まう家に幸福をもたらすというアレ。
どうやら、その座敷わらしをいただくことができるんだそうです。
知ってました? 私はもちろん、知りませんでした。


その詳細について書かれているのが、

『「座敷わらし」をもらってきたら、幸せが舞い込んだ!』

(十凪高志 著/徳間書店/2016年)です。




著者の十凪さんは漫画家さんだそうで、
座敷わらしを手に入れた翌年から、
それまではなかった漫画の仕事が入るようになったそうです。
さっそくご利益⁉ なんかうらやましい!


というわけで、肝心の座敷わらし。
いただくには、どこで、どうしたらよいのでしょう?



本書によると、岩手県遠野市のH神社(※本にはきちんと神社の名前が出ています)にて、
年に1回行われる、座敷わらしのための祈願祭があるそうなのです。
そこで、日本人形に座敷わらしを下してもらい、
そのお人形をお持ち帰りすることができるんだとか。
ただし、年に10体程度しかお持ち帰りできないため、
現在は予約制で、数年待ちと言われることが多いそうです。

えー、いいな! 座敷わらし、うちにも来てほしい!!!
でも私なんて、小鳥のお世話でいっぱいいっぱいなのに、
わらしのお世話なんてできるのかしら……。

そう、どうやら座敷わらしは「わらし(子ども)」であるだけに、
かなりいたずらっこで、わんぱくらしいのです!

本書には、座敷わらしと(主に夢のなかで)遊ぶ、
座敷わらし人形のマスターたちの体験談も記されているのですが、
彼らは座敷わらしに、
全力で追いかけられたり、
生魚を口に突っ込まれたり
コーラを勧められたりしたらしいのです!
なにそれ、最後のすごい可愛い! 
ますます座敷わらしと一緒に暮らしてみたくなります。飲むよ、コーラ!

ちなみに、作者の十凪さんは、
法術(※)を習っていらっしゃるらしく、
巻末に、座敷童をコピーする方法や、
座敷わらしを召喚する(つくりだす)方法も記されています。

前出のH神社では、年に10体程度しか座敷わらしを出していらっしゃらないので、
実際にこうした方法に頼ってみるのも
よいのではないかと思います。

ちなみに、座敷わらしをコピーする場合は、
「座敷わらしが出る!」と言われている
お宿などに泊まって、ある物質にコピーしてくるんだそうです。

「座敷わらしが出る宿 一覧」も巻末に併せて記されているので、
大変お得。


ちなみに、座敷童の宿として有名な
遠野の「緑風荘」は、
2009年に火災で焼失しましたが、
今年、2016年の5月に営業を再開したそうです。
亀麿さま(緑風荘の座敷わらしの名前)にお会いできるかも⁉
興味のある方は、本書を持って、ぜひ。

(※法術……よくわかりませんが、「心が変われば、世界も変わる!」的なことを実践する
     マインドパワーのことみたいです。「スリムドカン」の斉藤ひとりさんあたりが得意そう)



2016年5月8日日曜日

清澄白河おすすめスポット05 散歩がてらにシルクを学ぶ「ワイルドシルクミュージアム」

 

ブルーボトルコーヒーのすぐ裏、

ワイルドシルクの博物館




おなご的な布、といったら、やはりなんといってもシルクではないでしょうか。

ツヤツヤとして軽く、柔らかいシルクは、
今や高級品であり、多くの女性のあこがれの布。


みなさんもよくご存じのとおり、
シルクはこんな感じ↓の繭から紡ぎだされます。



そんなシルクについて、くわしく知ることができるのが、
2016年にオープンしたばかりの、
「ワイルドシルクミュージアム」です。




ブルーボトルコーヒーの路地すぐ裏にある、
とても小さなショップ風の外観。


しかし、ミュージアムと銘打っているとおり、
中には「シルク(絹糸)」になる前の、
さまざまなシルクの繭や糸などが展示されています。



シルクをつくる絹糸昆虫は、
世界でなんと10万種!



「さまざまなシルクって……シルクって蚕(カイコ)の糸でしょ?」
と思われた方。

私もそう思っておりました。

実は、シルクを吐き出す絹糸昆虫は、
蚕をはじめ、世界に10万種類あるいはそれ以上いるそうで、
蚕以外の絹糸昆虫が生産するシルクを
「ワイルドシルク(WILD SILK)」

と呼ぶんだそうです。
へー、そうなんだ!


展示物はいたってマジメ。
※以下、虫が苦手な方は、ご注意ください!



入口の床に埋め込まれた繭。すべて天然の色だそうです。



天蚕(ヤママユガ)の繭(左)と、成虫(右)。
緑色の繭1個から採れる絹糸は600~700メートルで、
その糸は「繊維のダイヤモンド」と呼ばれるとか。



データもしっかり展示されています。



繭や絹糸を触ることもできます。
展示品のミニライト、可愛い。



さまざまな蚕の繭が一同に!

 

ワイルドシルクを利用した、ストールや靴下、
アクセサリーなんかも購入できます。

店内には購入できる小物や服が並んでいます。



ストール、ハンドタオル、靴下、ハンドクリームなど。

 

黄金色のシルクをつくるクリキュラの繭を使用したピアス。

 


機織り体験、幼虫エサやり体験、
シルクを身近に感じられます


タイミングがよければ、
ヤママユガ科の幼虫・エリサンが展示
されていることもあります。

本日はたまたま、たくさんのエリサンが
元気に桑の葉を食べているところに遭遇。


みんな…………元気でした!!! 素敵なシルクをありがとう!


繭をつくるエリサン。がんばっています。これが見れるのはすごい貴重!

実は私は虫がけっこー苦手なのですが、
こうやって彼らが一生懸命葉っぱを食べて、
がんばって吐いてくれた糸をいただいて、
シルク布ができるのだな……と思うと、
ちょっぴり感動です。

事前にお願いすると、
この場で機織り体験もさせていただけるとか
うおー、やりたい!!!

ご興味ある方は、
wildsilkmuseum@gmail.com
まで、事前にお問い合わせするとよいそうです。



帰りに、ワイルドシルクミュージアムのオリジナルの
お手頃なシルクのストールを買ってみました。
夏は日除けとして重宝しそう。
サラッとしてて気持ちいいです。

お値段、なんと3800円+税! お安いです!

ちなみに、こちらがオープンしているのは、基本的に
土曜・日曜・祝日の10:00~日没まで。
(カレンダーはこちらのページ下部)
無理のないスケジュールで、
絹糸昆虫にやさしい感じです。

ただシルクを身に着けているより、
こうやってシルクを知って身に着けるほうが、
なんかカッコいいなー、ってちょっと思いました。

清澄白河へおこしの際は、
ワイルドシルクミュージアムで、
シルクへの想いを深めてみるのも素敵かと。

●WILD SILK MUSEUM(ワイルドシルクミュージアム)●
【HP】 http://www.wildsilk.jp/
【FB】 https://www.facebook.com/wildsilkmuseum/
【メール】wildsilkmuseum@gmail.com

【住所】東京都江東区平野1-5-5-101(地図
【営業時間】土曜・日曜・祝日の10:00~日没まで
        ※臨時休業もあるため、こちらのページ下部の
        カレンダーをご確認ください。

2016年5月3日火曜日

おすすめ本004 「あの人は本当に私が好きなの!?」と不安になったときに読みたい『なぜ彼は本気で恋愛してくれないのか?』


■男の理想は、「かぁちゃんみたいな女」!!


かつて、日本でもっとも著名なAV男優さんに、
「男性が理想とする女性像とは?」とうかがったところ、
「浮気しても怒んないでどーんと構えててくれる、
かぁちゃんみたいな女!」

と言い切られたことがあります。すごいセクシーな笑顔で。

男性が理想とする女性像はとてもよくわかりましたが、
そんなもの受け入れてたら女性はまったく幸せになれない。
そうした事実を、私が受け入れる契機となった、
素晴らしく潔い回答でした。
男優さん、その節は本当にありがとうございました!

浮気してもどーんと構えて受け入れる…って、それはただの都合のいい女。  











■男のキモチに焦点を当てた
『なぜ彼は本気で恋愛してくれないのか』


とはいえ、恋愛中の女性というのは、相手の男性に対して、
さまざまな期待を抱いてしまうものです。

そうした期待のひとつが、
「この人……ホントに私のこと、好きなの?」というものではないでしょうか。
期待っていうか疑問。疑問っていうか不信?

例えば、
「付き合いはじめのころは即レスだったのに、
なんで今は30時間くらい経たないと返事かえさないんだよ!」とか、
「こっちのミスはうれしそうにあげつらうくせに、
 こっちがミスを指摘すると拗ねて膨れるのはなぜ!」とか。

そうした男性の行動を、
馴れ合いと呼ぶのか、飽きと呼ぶのか、
あるいはそれ以外の感情に基づくものと認識すべきなのか。
そうした疑問に男性目線で真剣に応えてくれているのが、



著者はアメリカ、ロサンゼルスの精神分析医。
男女関係に関する著作を多く発表しているようです。
男女の恋愛本だと、『男は火星から~』のジョン・グレイあたりが売れていますが、
この本のほうが「男のキモチ」に焦点を当てているので、
「男ゴコロがわかんないし、知りたい」という女性は、こちらのほうがオススメかも。


■ヒーロー願望で、モラハラになる


で、本書の内容ですが、
ものすごーくざっくり言うと、
男性の意識のベースにあるのは、
「ひとりで、じょうずにできるもん!」であり、
「僕が頑張って、みんなを幸せにするんだ!」という
ヒーロー願望だ、とのこと。

なので、女性が「この人のために何かしてあげたい」と男性の世話を焼きすぎると、
「ひとりでじょうずにできるんだから、やめろ!」となるし、
「僕が仕事で忙しいのは、みんなを幸せにするためなんだから、
 僕が忙しいときは、君をないがしろにするけど、それはしかたないだろ」となる、と。

……えーと、ちょっとイヤな感じで私が本書の本文を捉えてるかもしれないけど、
まぁ、だいたいこんな感じです。
でも、私は、私のそう多くはない個人的な経験から、
「ああ、そうかも! だいたい合ってるかも!」と感じました。
つまり、男の人って、
ひとりよがりのヒーロー願望で、モラハラ気味になるんだな……と。

って、これは、私の男性観に偏りがあるせいかもしれません。
よく知らないで言っちゃいけないんだけど、
例の虎舞竜の人もそんな感じだったんじゃ……。

とはいえ、女性だって
「他のことはほおっておいて、私のことを最優先して!」という
ずいぶん無茶な欲求を突きつけがちなので、
「あいつ、ひどいわ」と感じるのは、お互い様なのかもしれません。



■相手をほおっておける、ということ


この本を読んでわかったのは、
「男女ともに、相手のためを思って、
 愛情表現をしているけれど、
 それはことごとく、相手の意向を無視したものである」
ということでした。

そのことがわかるとよい点は、
「相手のことをほおっておける」ということです。

「あー、なんか相手はまたワケわかんないこと言ってるけど、
 別に悪気があって言ってるワケじゃなくて、
相手なりにこちらのことを考えてくれてはいるんだな」
と思えるようになるので、
嫌な感じで疑心暗鬼になって、イライラしなくて済むようになります。

とはいえ、それは、相手がまっとうな成人であることが前提で、
相手が本物のモラハラ野郎(もちろん女性も)だったり、
「自分のお母さん(あるいは、お父さん)でいてくれ!」と
臆面もなく主張する子どもだったりする場合は、
徹底して闘う必要があります。

どう闘うべきかについても、本書はアドバイスをしてくれているので、
「この相手とどう向き合うべきか」と悩んでいる方は、
一読してみるとよいのではないでしょうか。

2016年4月21日木曜日

清澄白河おすすめスポット04 あの門脇洋服店がカフェをOPEN!



清澄白河の新たなお洒落スポット・

『門脇洋服店』がカフェをスタート!



まずは清澄白河近辺に在住の方に朗報です。
例のあのお店が、とうとうカフェをはじめてくれたのです!


あのお店とは……
そう、『門脇洋服店』です!
例のめっちゃくちゃお洒落な洋服屋さんですよ。



今年の2月にこのお店がオープンしたとき、
近所の住民は少しおののきました。
「………ホンモノのお洒落キタ!」


だってちょっと前まで、本当にこの街は、
そりゃー下町っぽい下町だったのですよ。
そこにこんな感じのお洒落なヤツが来たら……
めっちゃ入りたいけど、躊躇うってもんです。


その門脇洋服店が、カフェ!
ということで、渡りに船、と思い切っておじゃましてみました。


おずおずと「あの~、カフェ、よいでしょうか」と入っていくと、
「もちろん、どうぞ、どうぞ!」
とお店の美しいお姉さんが案内をしてくださいます。
よかった、ほっとする……。



グランドピアノが設置された

ノクターン#22 の旗艦店



この門脇洋服店で扱っていらっしゃるのは、主に
山形県鶴岡市出身のデザイナーでいらっしゃる鈴木道子さんが手がける、
の商品です。


鈴木さんは、おじい様が山形県でやっていらした老舗の洋服店である
「門脇洋服店」の影響を受けて、ファッションの道に進まれたそう。
あのヨージヤマモトに認められて、
Ysレッドレーベルのデザイナーに抜擢された方だそうです。すごい!
その後、ご自身で立ち上げられたブランドが、この「ノクターン#22」。
清澄白河のこの店舗が旗艦店であり、都内では初の路面店になるそうです。


というわけで、中はこんな感じ!
店内のディスプレイがとても美しい。



 
ゆったりしたシルエットのお洋服が多いです。



すごくお高いのかと思ったら、
手前の羽織るタイプの白いお洋服は22,000円。
あ、思ったほど高くない。


こちらも気になった花柄のワイドパンツ。
配色キレイ。すごい可愛いな!


私の写真があまりよくないので、
お洋服が気になる方はこちらをどうぞ。


もちろん、小物もあります。
※こちらはノクターン#22の商品ではないそうです。


中にはなんとグランドピアノが!
こちらを使ったイベントなんかも今後予定しているそうです。
(※たしか先月はファッションショーやってた。
たまたま通りかかったのですが、
チラッと見えた感じでは超すてきでした。)




ちなみに直近だと、5月13日(金)に、
シャンソン歌手の聖児さんという方が、
キャバレーショースタイルのスペシャルライヴ
なさるそうですよ!


洋服屋さんでライヴってなんかステキ。
チケット制なので、
ご興味のある方はお問い合わせになってみるとよいのではないでしょうか。



さて、カフェのほう。



メニューはごくシンプルです。


私はコーヒーを頼んでみましたが、
ちゃんと美味しかったです!

豆は京都の老舗喫茶・前田珈琲のものを使用しているそうで、
「季節によって豆が変わるので、ぜひ気軽に立ち寄ってください」とのこと。
ホントにお言葉に甘えて、ちょくちょくお邪魔させていただきます!

門脇洋服店の4代目のご主人も、
スタッフのお姉さんも、とても気さくで優しくていらっしゃるので、
お散歩がてら、
また、現代美術館にお立ち寄りの際などはお茶がてら、
素敵なお洋服と空間を体験してみるのもいいかもしれません。



●門脇洋服店●
FB  門脇洋服店(清澄白河)https://www.facebook.com/Nocturne22TOKYO/?fref=ts

【電話】 0358099936
【住所】 東京都江東区三好2610地図
【営業時間】 11001800(水曜定休)